2022年に53歳の若さでご逝去された「ミスターラグビー」の異名を持つ平尾誠二さんと、2012年にノーベル賞を受賞した山中伸弥教授は、大の親友です。
そして山中伸弥教授は医師でもありますので、平尾誠二さんの闘病中は一番近くで支え、治療の提案等も行っていました。
平尾誠二さんのお別れの会で、弔辞を担う事になった山中教授は、どの様な言葉を残されたのでしょうか?
そこでこの記事では…
●平尾誠二と山中伸弥教授の関係性
●平尾誠二へ贈った山中伸弥教授の弔辞
●平尾誠二の叱り方4選
●平尾誠二と山中伸弥の「友情」がドラマ化
●平尾誠二のWikiプロフィール
●山中伸弥のWikiプロフィール
これらについてまとめていきたいと思います。
平尾誠二と山中伸弥教授の関係性に涙!
「ミスターラグビー」と呼ばれた平尾誠二さんと、2012年にノーベル賞(ノーベル生理学医学賞)を受賞した山中伸弥教授は、40歳代に知り合った親友です。
引用:YouTube
平尾誠二さんと山中伸弥教授は、対談で出会ってからすぐに意気投合し、その後家族ぐるみの付き合いをしていました。
山中教授の奥さんも医師なんだよ。
山中伸弥教授は平尾誠二さんに憧れを抱いており、また平尾誠二さんもノーベル賞受賞者との対談で、お互いに緊張していた事でしょう。
しかし対談はとても盛りあがり、全く話が尽きる事はありませんでした。
一緒に食事した後「じゃあ次はゴルフで」と別れた直後に平尾誠二さんが体調を崩し、末期の癌だと判明しました。
2016年に53歳の若さでお亡くなりになった平尾誠二さんは、病気の診断を受けてから亡くなるまで約1年でしたが、その間、山中伸弥教授は「もし自分が同じ病気だったら、どうするか?」と常に考えており、平尾誠二さんに常に寄り添っていました。
親友だからこそ、自分の事の様に考えていたのでしょう…
平尾誠二さんは胆管細胞癌という難しい病気であり、従来の治療では効果が得られませんでした。
そこで山中教授は平尾誠二さんに治験の治療を勧めました。
どの様な副作用が出るかも分からなかったにも関わらず「世界初の治療を受ける」と平尾誠二さんはむしろ自慢の様にように言っており、治療にとても前向きでした。
親友である山中教授の提案であれば、
全てを任せたいといった気持ちだったのでしょう…
山中教授はマラソンランナーとしても知られており、フルマラソンには何度も出場しています。
マラソンを走っている時等苦しい時には平尾誠二さんの強い声援が聞こえると話しており、平尾誠二さんがお亡くなりになった今でも親友を常に近くで感じている事を語っています。
平尾誠二に贈った山中伸弥教授の弔辞
平尾誠二さんのお別れの会「感謝の集い」で山中伸弥教授が述べた弔辞の内容を一部ご紹介します。
引用:日刊スポーツ
・平尾さん久しぶり、相変わらずかっこいいですね…
この様に始まった平尾誠二さんへの弔辞を述べたのは、2012年にノーベル生理学医学賞を受賞した山中伸弥教授です。
・僕(山中伸弥教授)は君(平尾誠二さん)と同じ年です。
・高校の時からずっと君に憧れてきました。
・出会って以降君の事が大好きになり、凄く尊敬しています。
と、平尾誠二さんとの出会いや関係性について綴っています。
※平尾誠二さんは1963年1月生まれで、山中伸弥教授は1962年9月生まれですので、生まれ年は違いますが学年が一緒です。
・平尾誠二さんは病気が判明してから、今まで以上にカッコよく立派だった。
・病気が判明した時は、すでにかなり進行しており、普通の人ならとても前向きにはなれない状況だった。
・でも最後の最期まで病気と前向きに闘いました。
・前例がなく、どんな副作用が有るか分からない治療法を提案した際も「俺達世界初の事やってるんだ!」と平尾誠二さんは前向きに取り組んだ。
・山中教授は、自分が平尾誠二さんを励まさなければならない側なのに、いつも平尾さんに励まされていた。
病気になる前から最期を見届けた山中伸弥教授は、平尾誠二さんの精神的強さを語っていました。
平尾誠二さんは闘病中で苦しい時に、そんな前向きな事を言える方なんて他にはいない。考えられないくらい前向きな人だ。と尊敬しかなかった事を明かしています。
自分の事よりも親友である山中教授の事を心配していた平尾誠二さんは、本当に山中教授の事が大好きだったんですね。
・平尾誠二さんが亡くなる前日に病室で会った時は、もうじき孫が誕生する事を嬉しそうにしていた。
・その会話が平尾誠二さんとの最後の会話になったが、最後の会話がそんな内容で嬉しかった。
この様に、闘病生活の事を話していました。
山中伸弥さんは医師としては一線を退いていましたが、主治医の先生と相談の元、山中教授も全力でサポートされてきました。
お互いを尊敬仕合い、大切に想っていた事が伝わる
素晴らしい弔辞でした。
また生前、平尾誠二さんがまだ元気な時には一緒にお酒を交わしており、その時に「人を叱るときの4つの心得」を教えてもらい、その事も綴っていました。
その「4つの心得」をご紹介します。
平尾誠二の叱り方4選で分かる人間性
山中伸弥さんの弔辞にもあった様に、平尾誠二さんは「4つの叱り方」を山中伸弥教授に話していました。
引用:朝日新聞デジタル
・プレーは叱っても、人格は責めない
・後で、必ずフォローする
・他人と比較しない
・長時間叱らない
山中教授は弔辞の中で2つはすぐに思い出せたものの、あと2つはなかなか思い出せず、平尾誠二さんとのメールを読み返して思い出した事も述べていました。
それでは平尾流「人を叱るときの4つの心得」をどの様な内容か筆者の解釈を含め、まとめていきたいと思います。
①プレーは叱ってもその人の人格を責めない
叱らなければいけない場面でその事柄について叱り、その人(叱られている人)の考えや人間性を責める事は絶対にしないという意味でしょう。
「怒る」という怒りに任せて叱ると、指導とは違い感情的なものになります。
「怒る」と「叱る」は異なると解釈しており、「〇〇ではなく、△△だ」といった指導の意味で、
プレーは叱っても、人格は責めない
と山中伸弥教授に話したのではないでしょうか?
きっと今後山中教授も平尾誠二さんの言葉を思い出し、その教えを貫いて行かれる事でしょう。
否定をしない人の特徴は、自分なりに決断を下して何かしら大きなにチャレンジをした、という自負のある人が多い傾向です。
逆に人をよく否定する人というのは、特に何かチャレンジをしたということはなく、第三者目線で外野から否定をしている場合が多いです。
なのできっと平尾誠二さんも今までラグビー界で成功の裏には失敗を自ら重ねてきた結果があるからこそ、その価値を理解しているので、人の失敗を容易に否定するようなことはしないのでしょう。
そういった人は仮に人に意見をぶつける時も、きちんと相手に敬意を払い、人格を否定することのないように配慮できるようになります。
②叱ったあとは必ずフォローを入れる
叱られた本人はヤル気を失ってしまったり、投げやりになってしまう事もあります。
また叱った方と叱られた方の関係性がギクシャクする事もあるでしょう。
そこで、
後で、必ずフォローする
この事は、指導者として絶対に欠かせない事ですね。
叱った方も叱られた方も、決して気持ちのいいものではありません。
ここでフォローする事が一番大切な事だと筆者も思います。
このフォローがあってこそ、互いに信頼関係を築くことができ、スキルアップが図れるのだと思います。
それと同時に愛社精神や忠誠心が養われることで、モチベーションアップにもつながるはずですね。
改めて、平尾誠二さんの人間性には脱帽です。
③他の人と比較しない
あの人は出来るのに、なぜ君は出来ないのか?等と、他人と比べる事は相手にとって何のプラスにもなりませんよね。
得意不得意は誰にでもある事で、他人と比較して叱られると、叱られている人にとっては劣等感しか感じません。
他の人と比較しない
という事は、相手のヤル気を削がない為の重要な事ですね。
ついできる人と比較してできない人を叱ってしまいがちですが、指導者であれば特に誰もが気を付けないといけない事だと感じました。
これは仕事に限らず友人関係や家族間でも当てはまりますよね。
日々気を付けて発言したいと心底思いました。
④長い時間叱らない
叱られるということ自体、決して気持ちのいい事ではありません。
できるなら短時間で簡潔に叱ってもらいたいものですね…
長い時間叱らない
というのは、怒りに任せず一旦頭の中で整理し、相手の為に簡潔にまとめて伝えるという事ではないでしょうか?
要点だけまとめて短時間で叱り、その後は普段以上にフレンドリーに接する。
人間の成長とはこういった事の繰り返しなのでしょう。
平尾誠二と山中教授の友情がドラマ化
2023年11月11日(土)21:00~テレビ朝日系列で平尾誠二さんと山中伸弥教授のドキュメンタリードラマ「友情」が放送されます。
このドラマは、タイトル通り平尾誠二さんと山中伸弥教授の「友情」をテーマにしたドラマです。
このドラマは恐らく涙なしでは観る事ができないでしょう…
私は、もう録画予約してるよ。
この「友情」を演じたキャスト(俳優)もご紹介します。
ドラマ「友情」のキャスト
引用:Tver
写真左:本木雅弘(平尾誠二訳) 写真右:滝藤賢一(山中伸弥役)
友情のキャスト
●平尾誠二:本木雅弘
●山中伸弥:滝藤賢一
●平尾惠子(平尾誠二の妻):石田ゆり子
●山中知佳(山中伸弥の妻):吉瀬美智子
●平尾信子(平尾誠二の母):倍賞美津子
●大塚早紀(平尾誠二の長女):佐久間由衣
●平尾昂大(平尾誠二の長男):坂東龍汰
●佐川副院長:賀来千香子
●井岡医師:濱田岳
●石山次郎(元ラグビー選手):山下真司
本木雅弘さんは、役に入り込む俳優として知られていますので、抜擢されたのではないでしょうか?
まさかスクールウォーズの
「泣き虫先生」(山下真司さん)が出てくるとは…
平尾誠二さんの奥様は元女優で、
副院長役を演じた賀来千香子さんとは親友です。
引用:Twitter
写真左から、平尾誠二・山中伸弥 本木雅弘・滝藤賢一
主人公の平尾誠二さんと山中伸弥教授を演じた本木雅弘さんと滝藤賢一さんは、ご本人達ととても似てますね。
自身を演じた滝藤賢一さんについて、山中教授は…
本当に似ている。滝藤賢一さんに演じてもらえて良かった。
と語っていました。
確かに顔の作りが似てますね。
山中教授を演じた滝藤賢一さんは、「探偵が早すぎる」や「極主夫道」等、コメディのイメージが強いですが、大河ドラマや「半沢直樹」にも出演している演技派の俳優さんですので、山中教授役の演技がどの様に仕上がっているのか、とても楽しみです。
また、平尾誠二さんを演じた本木雅弘さん(元シブがき隊)は、映画「おくりびと」で主演に抜擢されており、この映画はアカデミー賞外国語映画賞を受賞しています。
この2人のダブル主演は、期待が膨らむね。
本木雅弘さんは、アカデミー賞のインタビューに英語で答えており、話題になりました。
平尾誠二のWikiプロフィール
引用:ラグビーリパブリック
平尾誠二のWikiプロフィール
●名前:平尾 誠二(ひらお せいじ)
●愛称:ミスターラグビー
●生年月日:1963年1月21日
●没年月日:2016年10月20日(享年53歳)
●出身地:京都府京都市
●職業:ラグビー選手
(日本代表・日本代表監督・神戸製鋼コベルコスティーラーズ総監督でゼネラルマネジャー
史上最年少(19歳)でラグビー日本代表選手に選ばれた平尾誠二さんは、同志社大学ラグビー部出身です。
大学在学中は史上初の大学選手権3連覇しており、チームの連覇に大きく貢献しました。
その後、日本代表監督として「平尾JAPAN」を引率してきたリーダーは、「ミスターラグビー」と呼ばれ、日本のラグヴィー界を支えてこられた功労者となりました。
一番カッコ良かったのは、闘病中の姿だと、
平尾誠二さんの前向きさを山中教授が話していました。
最期まで誰しもが尊敬する素晴らしい方だった事がわかります。
本当に惜しい人を亡くしてしまいました…
山中伸弥のWikiプロフィール
引用:日経バイオテク
山中伸弥のWikiプロフィール
●名前:山中 伸弥(やまなか しんや)
●生年月日:1962年9月4日(2023年11月現在 61歳)
●出身地:大阪府東大阪市
●職業:医師(整形外科医)・医学者・京都大学iPS細胞研究所名誉所長・教授
(東大阪市名誉市民・京都市名誉市民・奈良先端科学技術大学院大学栄誉教授・広島大学特別栄誉教授・ロックフェラー大学名誉博士・香港大学名誉博士・香港中文大学名誉博士)
●趣味:マラソン
2012年にジョン・ガードン氏とノーベル生理学・医学賞を共同受賞した功労者です。
2022年にはiPS細胞研究所の所長を退き、名誉所長となりました。
そして研究者として本格的に復帰しました。
やはり研究が好きな為、現場復帰されたのでしょう。
肩書が凄いですね。
近年は研究現場が目まぐるしく変化しており、山中教授は使い方が分からない機材も増えている為、専門家の力を借りながらチームで研究を進めています。
自身の研究はアメリカを拠点にしており、若いスタッフから「SHINYA」とファーストネームで呼ばれるなど、海外のスタッフからも慕われている事がわかります。
スタッフの中には日本人もいらっしゃいますが、日本では「山中先生」と呼ぶのにアメリカでは「シンヤ」と呼ばれているので、チョット面白いとも話していました。
山中教授の人柄の良さが滲み出てますね。
日本の研究所では、チームスタッフから「研究の時はとても厳しい方だけど、普段はただの大阪のおっさん」と言われており、チームワークの良さや信頼関係が垣間見れます。
趣味のマラソン
山中教授はフルマラソンの大会に多数出ており、最高記録は3時間20分チョットだという事を明かしています。
メチャクチャ速いですね。
61歳にしてまだまだ記録を更新したい、とマラソンには真摯に取り組んでおり、3階にある研究所へはエレベーターを使わず、毎日階段を駆け上がっています。
また身体年齢38歳と言われており、トレーニングに余念がありません。
研究者として海外へ行き来していますが、パリの空港で1時間くらい待ち時間がある時は、空港内を走っていた事もあり、周りの人からは変な目で見られた事を語っていました。
ノーベル賞受賞者が、
パリの空港を走っているなんてチョット滑稽ですね。
まとめ
●平尾誠二と山中伸弥教授の関係性
●平尾誠二の叱り方4選
●平尾誠二と山中伸弥の「友情」がドラマ化
●平尾誠二のWikiプロフィール
●山中伸弥のWikiプロフィール
ミスターラグビーとまで呼ばれる様になった平尾誠二さんとノーベル賞受賞者である山中伸弥教授は、対談で意気投合して大親友となりました。
医師として人の死に直面する事は幾度となくあったと思いますが、親友の最期を看取るという事は本当に酷だったでしょう。
しかし最期まで親友が傍に居てくれた事は、平尾誠二さんにとってとても幸せだったと思います。
今後の山中伸弥教授を天国から見守っていてくれるでしょう…